美術館が運用するLINE公式アカウント

いまや日本人のほとんどが利用しているといっても過言ではないコミュニケーションツール「LINE」。 美術館はどの程度LINEを活用しているのか。 今回は、国立もしくは公立の美術館に絞って、その活用状況を調査する。

調査対象

Weikipediaの以下ページに掲載されている美術館について調査を行う

美術館の一覧日本(公立・独立行政法人)

今回はあくまでも国立もしくは公立にしぼる。 対象数は、271の美術館もしくは博物館となった。

概要

全国271の美術館のうち、公式WebサイトからLINEへのリンクが掲載されていたのは、3箇所のみ。 Twitterアカウントを開設している美術館は、271箇所中136箇所であり、活用はほとんどされていないと言えるだろう。

LINEは日本人の多くが利用しているとはいえ、公式アカウントでは、配信数が多くなると有料となってしまうため、アカウントの開設に消極的だと思われる。

次からは実際にLINE公式アカウントを開設していた美術館の活用状況をまとめていく。

広島県「奥田元宋・小由女美術館」

広島県「奥田元宋・小由女美術館」

友だち数は、2022/1/12時点で67名。 2021年11月25日に、最初のタイムライン投稿があるため、開設して2ヶ月程度と思われる。

トークルームに移動すると、リッチメニューは設置されているものの、デザインは簡素。

広島県「奥田元宋・小由女美術館」リッチメニュー

福岡県「福岡アジア美術館」

福岡県「福岡アジア美術館」

友だち数は、2022/1/12時点で440名。 タイムラインの投稿を見ると、2019年1月が初投稿。 2019年6月12日を最後に、タイムライン投稿はお壊れていない。

先程の奥田元宋・小由女美術館では設定されていたリッチメニューが、こちらは設定されていない。

沖縄県「沖縄県立博物館・美術館」

沖縄県「沖縄県立博物館・美術館」

友だち数は、2022/1/12時点で4,403名。 取り上げた3美術館の中では最もおおい。

2019年10月25日に最初のタイムライン投稿がなされており、その後も継続している様子が窺える。 投稿の合計数は109件だっだ。

沖縄県立博物館・美術館のLINE VOOM

おわりに

全国271の美術館・博物館を調査して、LINE公式アカウントを解説しているのが3館と非常に寂しい結果となった。 ほかのSNSと比べ、開設数が少ないのはやはりLINEの料金形態が大きく影響しているものと考えられる。

LINE公式アカウントは、有料となってしまうことがネックと思われるが、やり方によっては無料のまま活用できる手段もないわけではない。 ただし、それにはLINE公式アカウントを熟知したプロからのアドバイスを得る必要があると考えられるが、 そのような売上に繋がりにくい美術館からの依頼を受ける企業は少ないだろう。

美術館の中にいる人がLINE公式アカウントの知識を吸収していくか、 もしくは外部からそういった知識をもつ人間を調達するかのいずれかが起こらない限り、 美術館のLINE活用は進んでいかないと思われる。

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